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カービングナイフ自作の方法① ハンドル編【モーラブレードNo.120】

先日、アウトドア用にモーラナイフのNo.1のブレードを使用して、プーッコナイフを自作しました。ハンドル材は紫檀を使用して製作し、かなりお気に入りの一本になりました。

そして前回のうまく作ることができたので、次の一振りということでカービング用の刃長が短めのナイフを製作しようと考えて準備してきましたので、今回2本目の製作を紹介したいと思います。

前回までのおさらい

前回製作したナイフについて以下の記事で紹介しています。刃長10cm程度の使いやすいナイフとなっています。真鍮のヒルトに、ハンドルは紫檀(ローズウッド)で蜜蝋クリームで仕上げています。

またシースもタンローから作っており、こちらもかなりお気に入りです。使いもしないのに抜き差ししたくなる一品です。

こんな感じで、ハンドルやシースをしっかり作るとかなりかっこいいオリジナルのナイフを作ることができます。スカンジナビアンナイフの作り方とほとんど同じですね。メーカからブレードを仕入れて、ハンドルとシースを製作する。とても楽しいので、皆さんもやってみてください。

カービングナイフの作り方~ハンドル編~

ではさっそくですが、カービングナイフのハンドルの作り方を紹介していきたいと思います。前回とほとんど変わらず事前準備としては以下の材料を購入しています。説明では写真を端折っているところもあるので、前回の記事も参考にしていただければと思います。

必要な資材・道具

資材は3,500円くらいで揃いました。今回は炭素鋼ブレードではなく、ラミネートブレードとなります。炭素鋼をステンレスか何かで挟み込んで、芯材は硬い切れ味の良い素材、側は柔らかめで、錆びにくい素材になっているはずです。

また、家にCクランプや接着剤、紙やすりはあったので、金額に入れていません。

モーラナイフブレード No.120
  • ハンドル用の端材(40mm*120mm*20mm程度) 2枚 600円
  • ナイフブレード(今回はモーラナイフ ブレード No.120)2,585円
  • ヒルト用の真鍮板(厚さ2~5mm程度)400円
  • 金属・木材用のエポキシ樹脂(透明 10〜30分乾燥タイプ)
  • C型クランプ 2個(ダイソーで購入)
  • 紙やすり(荒・仕上げ)(ダイソーで購入)
  • 彫刻刀
  • 電動ドリル
  • 糸のこぎり 600円
モーラ・ナイフ Morakniv Knife blade No120 laminated steel
ブレード素材:ラミネートスチール 刃体の長さ:約6.2cm タング:約10.8cm 全長:約17cm 刃厚:約2.7mm 生産国:スウェーデン ※ラミネートスチールのブレードのみの販売です

ハンドルの作り方

今回、ハンドルはインディアン・ローズウッド(黒檀)を削り出して製作します。今までイースト・インディアン・ローズウッド(紫檀)や花梨でハンドルを作っていますが、今度は黒檀になります。

少し脱線しますが、和包丁の柄を洋包丁風に花梨材でハンドル製作した記事を以下で紹介しておきます。花梨材は香りがとても良くて、削っている最中にびっくりしました。また赤い肌がとても綺麗な木材になります。

端材にブレード取り付け部分の削り出し

まずは端材にナイフのナロータングの部分をハメるための穴を掘っていきます。端材にナイフのタング部分を当てて、ペンで罫書線を引き、線に沿って内側を削っていきます。タングはヒルトを取り付ける長さだけ開けて罫書しておきます。

正式には穴を端材に空けてナロータングを差し込むのですが、そこまで深い穴を綺麗に空ける自信がないので、彫刻刀で穴を空けました。

カービングナイフ ハンドルのタング用穴あけ

前回は100均の彫刻刀を使いましたが、鋼材がへぼく、かなり大変だったので、今回は少しグレードアップしてちゃんとした彫刻刀を使用しました。前回よりかなり作業が楽になりました。また前回製作したプーッコでカービングナイフのハンドルを削りました。

ナイフと端材を何度か合わせてみて必要な深さまで掘り込みます。あまり掘り込みすぎるとゆるくなり、浅すぎると噛み合わせが悪くなります。少しずつ削って深さや枠のサイズをしっかり合わせてください。

そして、ナイフを端材で挟んでみて、しっかり端面が合っているか確認します。このかみ合わせが悪いようであれば、紙やすりをテーブルに置いてその上に平面にしたい部分を当ててその面をしっかり研ぎます。

そしてもう一度端面が合っているか確認します。

カービングナイフ ハンドルのかみ合わせ確認

ヒルトの作成

一度ハンドル部分は置いておいて、ヒルトを削り出します。ヒルト部分は厚い真鍮板の場合は電動ドリルで穴あけして、ニッパーなどで切り出し、やすりがけします。

前回はヒルトの素材を真鍮の0.5mm厚の板を積層して作成しましたが、0.5mm厚だと薄すぎて積層する枚数を増やす必要があったのと、曲がって隙間ができやすかったので、今回は1mm厚を4枚積層してエポキシ樹脂で接着して作成しました。

可能であれば積層しないで良いように厚みの4、5mmある真鍮板を入手してください。切り出しは糸鋸で問題なく可能です。そして穴あけは電動ドリルで行います。

前回は穴あけやハンドルへの取り付けを行う前に円状にやすりがけをしていましたが、ハンドルの径を合わすためにも今回は接着後にやすりがけを行います。

カービングナイフ ヒルトの切り出し

ヒルトの真鍮板にナイフのタングをどのあたりまで通すか考えて、罫書をおこない、その罫書に沿って電動ドリルで穴あけしていきます。今回は2〜3mm程度のドリル刃を使用しています。

穴あけ後ニッパーなどで穴の間の繋がっている部分を切り取り、やすりで穴を必要なサイズまで広げて、きれいにしていきます。

カービングナイフ ヒルトの穴あけ

穴の径が合っていればしっかりと動かないようにハンドル、ヒルト、ブレードを取り付けることができます。

この後ブレードをハンドルに接着するため、必要な方はここで黒錆加工を行ってください。今回は特に黒錆加工は行っていません。

カービングナイフ ヒルトの位置確認

ブレード・ヒルト・ハンドルの接着

ハンドル用の端材のブレードのはまる掘り込んだ部分と端材同士が接着する面、ヒルトと端材の間に木材・金属用のエポキシ樹脂をヘラ等で塗って接着します。前回はヒルトとハンドル間の接着が弱くて一度剥がれて大変なことになったので、結構厚めに盛っておきます。

また内部も結構厚めにエポキシ樹脂を盛っておきます。溢れてきたエポキシは水分を含ませたキッチンペーパーなどで拭き取っておきます。

続いてしっかり接着するようにC型クランプで端材をクランプします。クランプ時にハンドルの木材にクランプの跡がつかないように牛乳パックなどの厚手の紙等を噛ませます。

カービングナイフ ハンドルの接着

ハンドルの形状切り出し

次にハンドルを自分の作り出したい形状に切り出していきます。まず大まかに糸鋸で切り出していきます。前回糸鋸で深めに切り取りすぎてやすりがけが大変だったので、浅めにカットしていきます。

続いてあればカービングナイフ、なければ普通のナイフ、それもなければカッターナイフで切り出していきます。私は前回製作したプーッコで切り出しています。めちゃくちゃ切れ味がよかったので形状を整えやすかったです。

ここでも注意するのは削りすぎることです。最後にやすりがけするので、やすりがけ時に形状を直せる程度の厚さを最終目標の形状から残しておくことが大切です。

ここら辺の写真を撮っていたらよかったのですが、製作に集中していて撮影を忘れていました。前回のプーッコナイフ作成時に途中経過は載せているので、そちらを参考にしてください。

小さい番手から大きい番手でしっかりやすりがけを行うと表面がとても滑らかになります。合わせてヒルト部分もやすりで削りハンドルの径とヒルトの径を合わせます。

カービングナイフ モーラナイフ No.120

ハンドルの仕上げ

前回は耐水ペーパーを使ってさらに細かく仕上げましたが、そこまでする必要がないのではと思い今回はしていません。その代わり前回と同じく蜜蝋クリームでの仕上げは行っています。艶出しの仕上げをすると次の写真のように仕上がりました。

前回のナイフは細めのハンドルで持ちやすい形状で作りましたが、今回はナイフのブレードの長さも短いので、丸いぽてっとした形状のハンドルにしています。

カービングナイフハンドルの蜜蝋クリーム塗布後

蜜蝋クリーム作りと仕上げはかなり慣れてきましたね。蜜蝋クリームの作り方は以下に記載しているので、参考にしてみてください。

先日、漆塗りでのフィニッシュも追加で試してみました。耐水性もアップして艶がきれいなので、選択肢としてもおすすめの方法となります。以下の記事でやり方を説明しているので、参考にしてみてください。

まとめ

カービングナイフをモーラナイフのブレードNo.120のみを購入し、作成してみました。前回プーッコを作って、簡単にナイフのハンドル作成が可能ということが分かったので、2作目となります。

前回は炭素鋼ブレードでしたが、今回はラミネートスチールのブレードとなっています。刃長も違うので単純な比較はできませんが、切れ味としてはモーラナイフブレードNo.1のスチールブレードの方が良かったように感じます。

サイズ感としては使いやすいですが、刃の厚みが1mmくらい厚いためか、もしくは小さい分力を伝えにくいようで、思ったより木を削るのがやりにくかったです。というよりは前回のナイフの方がめちゃくちゃ削りやすかっただけかもしれません。

モーラナイフのブレード自体はラミネートスチールであっても、フェザースティックを作るのも簡単なくらい箱出しでも切れ味抜群です。ただ、少し刃の入り方がNo.1のブレードよりは悪い感じがあるという程度なので、トータルでは満足しています。

モーラナイフはブレード単体でも色々な種類を販売しているので、皆さんもハンドルを自作してオリジナルのナイフをキャンプ等で使用して、そして友人等に自慢してみてください。

次回はカービングナイフのシースを作成したので、作り方について紹介したいと思います。

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UMilCL
UMilCLhttps://umilcl.com
兼業ブロガー。大手製造業の企画・設計・プロジェクト管理で8年、受配電・電動機・システムの保全部門の課長1年目。 得意分野: プロセス制御と統計、機械学習、画像処理、システム技術 保有資格: プロジェクトマネージャー、情報処理安全確保支援士、ネットワークスペシャリスト、応用情報処理、第一種衛生管理者

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