デジタルクリエイティブの世界では、効率的な作業手段や快適な作業環境が求められます。特にグラフィックデザイナーや写真編集者、動画クリエイターなど、長時間にわたる作業が必要な場合は、作業効率を向上させるツールの重要性が高まります。そこで今回は、そのようなニーズに応える左手デバイスの一つ、「TourBox Lite」をTourBoxTexh社から提供いただきましたので、実機レビューをしていきたいと思います。
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TourBoxとは?
デジタルアートや写真、動画編集などのクリエイティブ作業を支援するための左手専用のデバイスです。その設計は、従来のマウスやキーボードだけでは限界がある作業に特化しており、操作パネルには、多彩なボタンやダイヤルが配置され、手のひらの動きだけでさまざまな機能を素早くアクセスできるようになっています。
2018年に海外の大手クラウドファウンディングサイト「Kickstarter」で成功を収め、2019年7月より一般販売が開始されました。そして、「TourBox 日本用」が、2019年12月17日よりクラウドファンディングサイト「Makuake」にてプロジェクトを開始いたしました。最終支援金額は3800万円を超え、注目を集めいています。
TourBox Liteの概要
前回TourBoxから「TourBox NEO」、「TourBox Elite」を提供いただきましたが、今回提供いただいたのは「TourBox Lite」となります。この「TourBox Lite」は一部使用が簡略化され、6個のボタンと2つのホイールの各ボタンにマクロを設定可能なデバイスとなります。
価格としても「TourBox NEO」は2万4000円程度、「TourBox Elite」は4万円程度と高価な価格帯となりますが、「TourBox Lite」は1万4000円とかなりお求め安くなっております。
気になるのは価格に対して、今回省略された機能により使いづらくなっていないかだと思いますが、私としては価格に対して十分以上の機能を提供してくれていると思います。以下で説明していきます。
デザインとビルドクオリティ
TourBox Lite の外観は、スタイリッシュで洗練されたデザインが特徴です。コンパクトなサイズでありながら、しっかりとした構造であり、安定感があります。手にフィットする形状で、長時間の使用でも疲れにくい設計となっています。また、ボタンやダイヤルの配置も直感的で、操作性が高いと感じました。
カラー展開がブラックのみとなっています。
外観と付属品
さっそく開封していきます。「TourBox Elite」は黒いおしゃれな箱に封入されています。
開けるとクイックガイドと本体とケーブルが封入されています。
内容物としては以下の4つになります。
- TourBox本体
- USB TYPE-A – TYPE-Cケーブル 1.5m 1本
- クイックスタートガイド
USB TYPE-C – TYPE-Cケーブルは1.5m程度の長さになっています。デスクトップで使う場合にはぎりぎりの長さになるかもしれません。EliteではBluetoothに対応しておりましたが、NEOと同様に有線接続のみとなっています。
サイズ
大きさとしては折り畳み財布くらいの小型のサイズとなっています。サイズ感は変わらないため、Eliteの画像となりますが、MacBook AirやMagic Mouseとサイズを比較してみると次の写真の様になります。
Magic Mouseより若干大きい程度で、かなり小型のデバイスのため、手にフィットするサイズ感です。
操作性とカスタマイズ性
TourBox Lite は、様々なソフトウェアに対応しており、それぞれのアプリケーションに合わせてボタンやダイヤルの機能をカスタマイズできます。
画像処理、ペイントソフトではPhotoshop、Lightroom、Capture One、Clip Studio Paint、Comic Studio、Saiなど、映像・音声処理ソフトではFinal Cut Pro、Premiere、After Effects、DaVinci、Audition、C4Dなどに対応しており、その他のソフトにも専用のツールを使用して各ボタンに操作割り当てを行うことが可能です。
これにより、作業効率を大幅に向上させることができます。特に、ショートカットキーを多用する作業では、手の動きを最小限に抑えて作業に集中できるので、ストレスなく作業を進めることができます。
「Adobe Premiere Pro」や「Lightroom」などのメジャーなソフトウェアは予めショートカットがプリセットされていてすぐに使用することが可能です。また、公式サイトから他のプリセットもダウンロードし、使用することができます。
TourBox NEO、Elite発売時から比べるとプリセットと呼ばれる各ソフトに対応した設定の種類が大幅に増加しています。TourBox Consoleというソフトのアップデートとプリセット追加でどんどん機能アップすることもおすすめな点となります。
公式サイトで用意されてないソフトウェアでも割り当てるショートカットキーをそれぞれのソフトウェアに対してカスタマイズできるので、様々なソフトウェアで使用することができます。
TourBox Liteの操作方法
「TourBox Lite」の操作は7個のボタンと2つのホイールを使用して行います。
既存モデルNEO、Liteとの差はダイヤルやホイール、ボタン数となっています。ボタンは11個→6個、ホイールも3個→2個と減少しています。TourBox NEO、Eliteと同様にホイール・ノブにクリック機能があります。
TourBox Liteは、その名前が示すように、廉価版のモデルですが、その機能や性能は十分に充実しています。一方、TourBox Eliteはより高価であり、さらに高度なカスタマイズ性や機能がありますが、一般的なユーザーにとっては十分すぎるほどの機能を提供しています。TourBox Liteの価格は手頃であり、初心者から中級者まで幅広い層に向けており、そのコストパフォーマンスは非常に高いと言えます。
以下TourBoxの公式サイトから動画を引用させていただいていますが、以下の機能が本当に便利です。このスクロール・ノブが、TourBoxの左手デバイスの最大の特徴です。
Eliteでの操作説明の動画になりますが、ダイヤルがなくなっているので、操作機能としてはダイヤルとノブでよく使う機能が残されている形となります。
私も比較使用してみましたが、動画編集などではダイヤルがあった方が一気に移動させる時は便利だと思いましたが、SHIFTを別に割り当てることで、同じことを一つのノブで対応させるなど対応方法はありました。
基本的には簡単にしたいことに対して、ボタン、ホイール数が十分かということなので、動画編集、イラスト、写真編集などで細かい機能まで頻繁に使い、すべて効率化したい人はやはりNEO、Eliteの方があっているのは確かだと思います。
一方で、本当によく使うこの機能だけ効率化し、他は今まで通りなど優先順をつけれるようであれば、コストパフォーマンスとしてもかなり高いと思います。
ブラシのサイズ・不透明度調整
色相、ハイライト、ホワイトバランスなどの調整
動画のタイムラインの操作
画像の拡大縮小・回転
マクロ機能
マクロ機能も搭載されており、一連の操作を設定し、ボタン1つで実行できます。
ショートカット機能
TourBox Console ショートカットを設定
TourBoxコンソールではソフトウェア毎の操作設定をすることが可能です。以下のリンクより、自分のOSを選択し、ソフトをダウンロードしてインストールしてください。
TourBoxコンソール動作要件は以下となります。しっかりと日本語にも対応してくれています。
動作要件
- 対応OS:
Windows 7以降及びmacOS 10.10以降(ケーブルで接続可能)
Windows 10以降及びmacOS 10.13以降(Bluetoothで接続可能) - 言 語:英語、日本語、韓国語、繫体字中国語、簡体字中国語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語
ショートカットを割り当てる方法としては2つあり、1つは公式サイトからプリセットをダウンロードする方法でもう一方は自分でカスタマイズする方法です。前者は以下のリンクからプリセットを選択し、ダウンロードします。
ダウンロード後、TourBox Consoleの左上のプリセットリストにインポートボタンがあるので、そこからインポートします。
続いて後者の方法が自分でカスタマイズし、プリセットを新規作成する方法です。こちらもTourBox Consoleの左上のプリセットリストに「プリセットを新規作成」のボタンがあるので、クリックし、新規でプリセットを作ります。
そしてそれぞれのボタンを選択して、設定したいマクロ、キー情報を入力すると設定完了です。
プリセットリストの「プリセットをオートスイッチ」でプリセットをそれぞれのアプリケーションに関連付けし、自動で切り替えすることも可能なので、設定することをおすすめします。
公式のYoutube動画で実際にイラストを描く際に使用した動画が上がっているので、追加情報として参考にしてみてください。
まとめ
本記事ではTourBox Liteをレビューしました。「TourBox Lite」はデジタルクリエイティブにおける作業効率を向上させるための優れたツールです。
TourBox NEO、ELiteだと2万~4万と大変高価で試してみるには少しハードルが高いですが、「TourBox Lite」は1万3000円と試しやすい価格と安くなっていますが、機能としては主要な機能はしっかりと残しており、その使いやすさやカスタマイズ性、コストパフォーマンスの高さは、多くのユーザーにとって魅力的な選択肢となると思います。
TourBox Eliteと比較しても、その性能や機能に遜色はなく、必要な機能を手に入れるには最適な選択肢です。デジタルクリエイティブの作業効率を向上させたい方には、ぜひおすすめしたい製品です。