過去にモーラナイフブレードを使って、プーッコナイフやカービングナイフのハンドルを製作してきました。
そんな中、タケノコ堀りをする際に友人とお互いが作ったクラフト品を見せ合う機会があったのですが、友人の漆塗りされた竹竿がすごく艶があってきれいで、今までのオイルフィニッシュをレベルアップさせようと今回漆の拭き漆にチャレンジしました。
必要な資材類
必要な資材類は以下となります。うるしについては本物だと管理が大変なので、漆から成分抽出した特製うるしを使用しています。
今回はうすめ液を購入していないため、粘度が高くても塗れる拭き漆で行いましたが、刷毛で塗りたい場合はうすめ液が必要です。刷毛と合わせて用意してください。
拭き漆でのハンドルへの漆塗り
過去に黒檀や紫檀でハンドル制作を行い、オイルフィニッシュでハンドルをきれいに仕上げています。そのままでも木目がきれいに見えておすすめですが、さらに漆塗りにもチャレンジしてみました。
漆塗りする際には薄く何度も重ね塗りを行う必要があります。そのままの漆の場合、粘度が高いので拭き漆(透明や透などの色の漆を布でふき取りながら、何度も可さ塗りする方法)で漆を重ね塗りするようにします。
素地調整
まず1回目を塗る前に素地調整を行います。サンドペーパーなければ耐水ペーパーの#400~#800あたりで素地調整を行います。
木の地肌をきれいに整えるために、ペーパー掛けを小さい番手から大きい番手にかけて行います。研ぎ終わったら、固く絞った布で削り粉を落とします。その後、水分を乾かします。

拭き漆の方法
拭き漆を行う場合は、ニトリル手袋をし、手で薄くハンドル全体に満遍なく漆を塗った後、布で漆をふき取ります。こうすると薄く、均等に漆を塗ることができます。
私は面倒だったので、1回目は上記方法でやりましたが、2回目以降は手で塗ってふき取りはやらずに作業を繰り返しました。
素地にきちんと凹凸がなければ、拭いてもいいのですが、拭いてしまうと凹みはへこんだままになってしまうので、埋めるためにもそのようにしました。

塗った後は1日以上乾燥させます。乾く前に塗ってしまうと一度塗った膜が剥がれてしまい、きれいな面にならないのでしっかり乾燥させた後に塗るようにしてください。
私はこの作業を5,6回繰り返し行い、次の写真の様に艶のある肌にすることができました。塗り重ねる回数は色艶をどの程度にしたいか、膜の厚さをどの程度にしたいか次第なので、好みで調整してください。
素地の凹凸が激しい場合は繰り返し塗って厚くすることをおすすめします。その後耐水ペーパーで研磨しても素地が出にくいので。
厚くしたい場合に一回の厚みを増やすことは絶対にしないでください。表面だけ乾燥して中が乾燥せずぶよぶよになる場合があります。しっかり薄く塗って、乾燥させることを繰り返して厚くしてください。

耐水ペーパーとコンパウンドがけ
漆塗りが終わり、しっかり乾燥したら、表面に小さい番手から大きい番手にかけて耐水ペーパーで水をつけながら研磨していきます。漆は薄いのであまり凹凸が少ないようであれば、#1000~で十分です。
凹凸が大きく残っているようであれば、その部分のみ#600~#800当りで削ってください。ペーパー掛け後が次の写真となります。
耐水ペーパーだけだと表面が荒れており、艶は一切ない状態です。

耐水ペーパーでの研磨が#2000くらいまで終わったら、艶出し、鏡面仕上げのためコンパウンド掛けをしていきます。コンパウンドを塗った後スポンジで表面を磨いていきます。

磨き終わると次の写真ぐらい艶がでます。黒檀の木目がしっかり出て、とても美しい肌になりました。釣り竿を見せてくれた友人には感謝です。

ナイフは2本あったので、2本とも仕上げるとこんな感じになりました。真っ黒よりも木目が美しい木材に漆塗りを行うと木目の色の違いが大きいほど、美しいことが分かったので、ハンドルの木材を選ぶ際に注意したいと思います。
紫檀のハンドルは真っ黒で手にもって見ないと、木目がほとんど見えなくなったので、ちょっと失敗かもしれません。

まとめ
今回は過去に製作したモーラナイフのハンドルを漆塗りしてみました。漆塗りを行い、コンパウンド掛けまで行うと表面の艶が出て、木目の美しいナイフになったかと思います。
仕上げ方法の一つとしておすすめの方法なので、皆さんもチャレンジしてみてください。