クラウドストレージサービスを運営するBackblaze社が運営しているサーバで使用しているHDDの故障率データをまとめたレポートを毎年公開しています。今年も2013年〜2020年第1四半期(1~3月)までの故障率のデータが公開されました。
今回はBackblaze社のレポートを参考にまだまだデータストレージ用途で需要のあるHDDについての説明と壊れにくいおすすめのメーカーを紹介したいと思います。
以下は2021年上期のデータでの記事となります。
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故障しにくいHDDメーカーは?
Backblaze社のデータによると拠点のデータセンターで13万2339台のHDDを運用しており、テスト用のHDDを除く12万9764台がレポートの対象となります。
2013年から2020年第1四半期までの期間における全体の年間平均故障率は1.71%であり、年々故障率は低下してきています。
メーカー | モデル | 容量 | 台数 | 使用日数 | 不具合数 | 年間故障率 |
---|---|---|---|---|---|---|
HGST | HMS5C4040ALE640 | 4 | 2,896 | 11,935,008 | 169 | 0.52% |
HGST | HMS5C4040BLE640 | 4 | 12,744 | 20,738,302 | 254 | 0.45% |
HGST | HUH728080ALE600 | 8 | 1,000 | 929,384 | 18 | 0.71% |
HGST | HUH721212ALE600 | 12 | 1,560 | 469,014 | 5 | 0.39% |
HGST | HUH721212ALN604 | 12 | 10,847 | 3,906,873 | 46 | 0.43% |
Seagate | ST4000DM000 | 4 | 19,142 | 54,342,192 | 3,911 | 2.63% |
Seagate | ST6000DX000 | 6 | 886 | 2,983,343 | 85 | 1.04% |
Seagate | ST8000DM002 | 8 | 9,793 | 12,698,743 | 369 | 1.06% |
Seagate | ST8000NM0055 | 8 | 14,464 | 14,488,642 | 485 | 1.22% |
Seagate | ST10000NM0086 | 10 | 1,200 | 1,115,826 | 23 | 0.75% |
Seagate | ST12000NM0007 | 12 | 36,997 | 24,222,428 | 1,592 | 2.40% |
Seagate | ST12000NM0008 | 12 | 10,876 | 1,071,985 | 39 | 1.33% |
Seagate | ST16000NM001G | 16 | 60 | 5,036 | - | 0.00% |
東芝 | MD04ABA400V | 4 | 99 | 243,757 | 5 | 0.75% |
東芝 | MG07ACA14TA | 14 | 7,200 | 1,133,593 | 32 | 1.03% |
合計 | 129,764 | 150,284,126 | 7,033 | 1.71% |
年間平均故障率は以下の計算式で算出されています。
年間平均故障率 = (HDD故障台数 / (ドライブ日数 / 366日) * 100
故障件数が”0″のモデルはSeagateの16TBモデル「ST16000NM001G」ですが、Seagateと東芝の特定のモデルはまだ稼働日数が少ないため、故障率が少ない可能性があると言及されています。
全体として故障率が低いメーカーは以下のようになります。
順位 | メーカー | 年間平均故障率 |
---|---|---|
1 | HGST | 0.47% |
2 | 東芝 | 0.98% |
3 | Seagate | 2.15% |
HGSTは故障率が低いことで有名な日立グローバルストレージテクノロジーズがウェスタン・デジタル配下になり設立された会社です。現在はウェスタン・デジタルにブランドが統一されています。故障率は0.47%と東芝製品に2倍近くの差を見せ付けています。
データ保存用やNAS用途の5400RPM、大容量モデルとなります。OSやアプリケーションを入れるディスクは高速なSSDをおすすめします。
東芝も0.98%となかなかの性能を示しています。東芝、Seagateは6TBで7200rpmのモデルがあるので少し高価ですが、5400rpmより高速でおすすめです。
Seagateは故障率が2%を超えており、私だと基本的には選びません。NAS用途であればWDが一番選ばれているかと思うので、何かしらの思いがなければWDか、東芝あたりを購入しておくことをおすすめします。
通信速度に関わるスペック
速度に関わるスペックとしては1分間当たりのHDD回転数とインターフェースがあります。
1分間当たりのHDD回転数
HDDの場合、読み書き速度に関わる要素がHDDのディスクの回転数となります。大体5,400rpm、7,200rpm、15,000rpmがありますが、データストレージ用途の場合、15,000rpmは高くて使えないため、5,400rpmか、7,200rpmとなります。
普通のデータストレージとして使う場合は5,400rpmで十分ですが、動画編集などを行う場合は7,200rpmかSSDが推奨されています。
インターフェース
インターフェースとしては大きく分けてSATAとIDEがあります。主流はSATAであり、SATA I〜IIIまでが使用されています。
SATA I(リビジョン1.x)のインターフェースは、別名SATA1.5 Gb/sで帯域幅のスループットは、150MB / sまでとなります。SATA II(リビジョン2.x)のインターフェースは、別名SATA 3 Gb /sで帯域幅のスループットは、300 MB/sまでです。SATA III(リビジョン3.x)のインターフェースは、別名SATA 6 Gb/ sで帯域幅のスループットは、600 MB/sまでとなります。
基本的には現在最新のSATA IIIに対応したHDDを購入することをおすすめします。
まとめ
今回はデータストレージ用途に故障率の低いHDDを紹介しました。やはり日立のHGSTは昔から故障率が低くて有名だったので、その流れを組むWDを使っていくことをおすすめします。
データストレージ用途であれば、回転数は少なくて済むので5,400rpmのモデルで問題ありませんが、OSなどを入れるドライブはSSDにしておくことをおすすめします。
また別途おすすめSSDについても紹介したいと思います。