革財布を長く使い続けるとどれだけ大切にしていても傷ついてくるものです。
傷を放置していると広がったり、剥がれたりしてしまいます。傷は修復できるので、気づいた時に補修することが大切です。

CONTENTS
レザーの種類
オイルレザーとは
オイルレザーとは、革をなめす時に、オイルを染み込ませる事で、革をよりしなやかにハリを持たせ、耐久性を増したものになります。
この革は、革中のタンニン成分が酸化することで革自体が淡褐色に近づく事や、使ううちに人体から出る皮脂や汚れが染み込むことで、色合いが濃くなるような風合いの変化がおこります。
ブライドルレザーとは
私の使用しているココマイスターのジョージブライドルレザーはこの種類のレザーになります。
ブライドルレザーとは、馬具に使用される皮革のことであり、主に馬具のベルト状の用品に使用される革のことを、総称してブライドルレザーと呼びます。
英国で製造されたブライドルレザーは、革の表面に白く油脂成分が固形化した「ブルーム」が噴き出しているのが特徴です。
ココマイスターのブライドルレザーも英国の製法で作られたレザーを使用しているため、ブルームが噴出しています。私の財布の紹介は以下の記事でしていますので、見て貰えると嬉しいです。
革製品の傷の手入れ方法
今回は先ほど紹介したオイルレザーとブライドルレザーを対象に補修方法を説明します。
傷の手入れに必要な道具
革製品の傷の手入れを行うためには、いくつかの道具が必要になってきます。今回の補修に必要な道具だけピックアップして紹介します。

補修クリーム
革製品全般に使うことができる補修クリームです。オイルレザー、ブライドルレザー、ヌメ皮等に使用できます。栄養クリームと合わせて使用することで、色落ちせず、しっかりと塗れて自然な仕上がりになります。
レザーマニキュア
さらっとした塗り心地の、定着率の良い補修剤です。コーティングされたような仕上がりになります。剥がれ、抉れ等革の状態が酷い場合の補修用となります。
栄養クリーム
革への栄養補給効果が高いクリームで、浸透性が高く、念入りにケアをする際に適しています。補修クリームのみだと表面状態が悪くなるため、栄養クリームで革の状態を良くします。
馬毛ブラシ
弾力性に富んだ馬毛を豊富に使用したブラシです。汚れ落としや仕上げのポリッシング等に幅広く使用できます。
ポリッシングクロス
適度な厚みと起毛のあるコットン製クロスです。ケア用品の塗布やスムースレザー製品の乾拭き等に幅広く使用できます。
不要なTシャツの切れ端や柔らかい布でも代用できます。私はあまり使わず栄養クリームや補修クリームは手でやってしまいます。
革の傷の手入れ方法
革の傷に気づいたら、酷くなる前に手入れしてあげます。自分が満足するまで、傷が目立たなくなるように手入れしてあげます。
私の財布の元の状態は次の写真のように折り曲げるエッジの部分が剥がれてきており、またパンツのポケットに入れて座った際に擦り傷が付いてしまっています。
3年程度使用しているので、それなりの傷がついてきています。また元々ブライドルレザーだったため、ブルームが吹いていました。そこからエイジングが進み艶のある表面で手触りの良い革になっています。



以下に手入れの手順を記載します。
ブラッシング
馬毛ブラシでブラッシングすることで、ほこりや汚れを取り除きます。表面を撫でるようにブラッシングします。

布で表面を馴染ませる
ポリッシングクロスなどを使用して、次の補修クリームを塗るために傷を馴染ませます。

補修クリームを塗る
クロスや指に少量の補修クリームを塗り、傷の辺りに補修クリームを薄く塗ります。

レザーマニキュアを塗る
補修クリームでも傷が目立つ場所にはレザーマニキュアを薄く塗り、コーティングをします。レザーマニキュアは艶のあるコーティングとなるため、傷の部分にのみ乗せるように注意しましょう。


栄養クリームを塗る
補修クリームを塗った箇所が白く光沢を失った状態になるため、栄養クリームを塗ります。


再度ブラッシング
栄養クリームを塗った後に馬毛ブラシでブラッシングし、光沢を取り戻します。傷が目立たず光沢も戻り、きれいな状態の財布に戻りました。

補修クリームで擦り傷があった箇所が傷が目立たなくなったかと思います。

最後に
皆さんもきれいに傷を目立たなくすることができましたしょうか?
革は浅い傷は使用していくうちに馴染んで革の味になっていきます。私も少しの傷はそのまま使用するようにしています。
オイルレザーやブライドルレザーはエイジングすることで表面の色合いや肌触りなどが変わっていくので、その変化を楽しんでいくと良いかと思います。
皆さんも革製品を楽しんでください!