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【PMBOK】プロジェクトマネジメント(1):プロジェクトマネジメントとは

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数年前に情報処理技術者試験のPMに合格したので、その知識について、そして勉強方法について備忘録としてまとめようかと思います。シリーズとして投稿していく1つ目となります。

本投稿ではプロジェクトマネジメントとはどのようなものであり、知識体系としてはどのようにまとめられていて、活用されているのかについて説明します。そしてプロジェクトの成功って何なのか私の主観も入りますが、解説します。

プロジェクトマネジメントとは

プロジェクトマネジメントとは以下に記載しているように成果物やサービスを生み出すために、明確な目的と期間を設定して行われるプロジェクトを統制・運営することです。プロジェクトマネジメントの資格としてはIPAのプロジェクトマネージャ試験とPMIのPMPなどがあるが、両者ともベースとなるのはPMBOKである。そのためPMBOKを学ぶとプロジェクトマネジメントを体系だって学ぶことができ、プロジェクトマネジメントを行う上でのベースとなる知識を全般的に得ることができます。

Project = 計画的事業活動
独自性をもった成果物やサービスを生み出すために、明確な目的と期間(開始点と終了点)を設定して行われる有期の活動が「プロジェクト」である。

Management = 管理,経営,経営力
高級のマネジメントとは会社のマネジメントであり、すなわち会社の経営である。プロジェクトマネジメントとは、そのために必要なスキルと言っても過言ではない。

PMBOKとは

PMBOKとはProject Management Body of Knowledgeの頭文字を取った略称であり、以下のような知識体系をまとめたものである。そしてそのPMBOKを発行している団体がPMIであり、その資格がPMPとなる。国際的には断然PMPの方がIPAのプロジェクトマネージャより優位となる。

PMI(Project Management Institute) 

  • 世界最大のPM団体
  • 本部:USA
  • PMBOK(PMの知識体系)の発行、PMの知識の整備、教育、啓蒙、資格認定(PMP:Project Management Professional)

PMP (Project Management Professional)

  • 米国PMIが認定している国際資格
  • PMBOKに基づくプロジェクト管理の専門知識を有していることを証明する資格
  • 米国では、IT関連企業はもとより、国防関連や官公庁が取得を推奨。
  • 日本においても、経済産業省が情報システムに関わる政府調達精度の見直しとして、応札者の信頼性を示す。
  • 公的資格の一つとしてPMP資格を出してきている。
  • 技術職に取らせたい資格の上位にランクされている。
PMP (Project Management Professional)取得者推移

PMBOK

  • 業界を越えた標準知識体系を定め、PMの各プロセスの共通概念と用語を説明
  • 10つの知識エリアで構成
  • PMのグローバルスタンダード(世界標準)
  • PMの知識体系(現在、第6版)

PMBOK = プロジェクトマネジメントの知識を体系化したフレームワークであり、立ち上げ、計画、実行、監視・コントロール、終結の5プロセス群と、10の知識エリアを定義したプロセスをまとめたものである。

PMBOKの主な特徴

  • WBS(Work breakdown structure)に基づく計画作成と、ベースラインによる実績管理、リスク管理、変更管理、教訓の重視
  • 計画とプロセスによる品質確保(品質計画、品質保証(QA)、品質管理(QC))
  • プロジェクトマネジメントの課題を解決し、プロジェクトマネジメントを効率的かつ的確に進めるためのツールとして有効
  • プロジェクトマネジメントに関する知識の整理に有効

しかし、 PMBOKの知識があればプロジェクトマネジメントの問題がなくなるという訳ではない。プロジェクトマネジメントを行った方はご存じかと思うが、人の管理においてはヒューマンスキルやコンセプチャルスキルが非常に重要になってくる。つまり次に記載しているプロジェクトマネジメントのスキルやITSS(ITスキルスタンダード)を見るとわかるが、スキルに加えて経験が重視されていることがわかるかと思う。

プロジェクトマネジメントスキル(project management skill)

PMBOKのプロセス群

  • 立上げプロセス
  • 計画プロセス
  • 実行プロセス
  • 監視・コントロールプロセス
  • 終結プロセス

PMBOKの知識エリア群

  • 統合マネジメント
  • スコープマネジメント
  • スケジュールマネジメント
  • コストマネジメント
  • 品質マネジメント
  • 資源マネジメント
  • コミュニケーションマネジメント
  • リスクマネジメント
  • 調達マネジメント
  • ステークホルダーマネジメント

ヒューマンスキル (human skill)

  • リーダーシップ
  • 合意形成・説得力
  • ネゴシエーション
  • 判断力、決断力
  • 実行力
  • 忍耐力
  • 調整力
  • 表現力
  • チャレンジ精神
  • コミュニケーション
  • 包容力
  • 柔軟性

コンセプチャルスキル (conceptual skill)

  • 論理的思考力
  • 現状認識力
  • 課題解決力
  • 問題発見力
  • ビジョン形成力
  • 戦略立案力
  • 目標設定力

ITSS(ITスキルスタンダード)とは

経済産業省が定めた個人のIT関連能力を職種や専門分野ごとに明確化・体系化した指標であり、IPAの情報処理技術者試験にて能力を計ることができるのはレベル4までであり、それ以上は試験の知識や技能をベースとして業務経験を積むことで能力を上げていくことが求められている。

これまでの内容はプロジェクトマネジメントとはどのようなものであり、知識や技能として求められるものは何か、またどのようなレベル感の技術が高度IT人材に求められるかを説明してきたが、ではプロジェクトマネジメントの成功とは何なのだろうか?

プロジェクトマネジメントの成功とは

米国Standish Groupの発表によるとITプロジェクトの成功率は3割である。これはITプロジェクトの成功がメーカ、オーナー等誰にとってのものか、またどのような尺度で図るかで成功とは何かが変わってくる。プロジェクトのオーナーにとってみれば納期、コストが守られていなくてもビジネスとしての成功ができていれば問題がない場合もある。一方でメーカ側であれば納期、コスト、品質が守られていないと継続的な経済活動が不可となる場合や信頼を失い、客先からの受注が途絶える場合がある。

この中でレベル1のマネジメントを行うことがプロジェクトマネジメントであり、QCD遵守+顧客満足がプロジェクト成功の要因とPMBOKでは定義されている。つまりプロジェクトマネジメントの成功はレベル1の成功であり、レベル2~4についてはプロジェクトやそれ以上のレベルの成功を意味している。

最後に

私がPMBOKを学んで良かった点は二つあり、一つがプロジェクトマネジメントの知識を得て、プロジェクト管理に活用できた点である。二つ目はプロジェクト以外の管理についても学んだ知識、スキルは活かすことができた点である。 皆さんもPMBOKは活用範囲が広いので学んでみてはいかがでしょうか?

続きは以下の投稿に記載しております。

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