最近、ヒロシのソロキャンプなどでキャンプやアウトドアが再注目されていますが、キャンプやブッシュクラフト、BBQで使える目的別のアウトドアナイフを紹介したいと思います。
価格帯も1,000円台から数万円のものまであるので、価格帯別に紹介してい行きたいと思います。また、5,000円以下の予算で10,000円以上のナイフの満足感を得られるセミクラフトという方法もありますので、紹介します。
CONTENTS
コスパ重視 1,000円台~5,000円
OPINEL #9

120年以上の歴史を持つフランスの老舗ナイフメーカー「オピネル」は、ジョセフ・オピネルが1890年に折りたたみ式ナイフの原型を開発し、彼の名前にちなんでオピネルと名付けられました。
オピネルのナイフは世界中で愛されており、ロンドンやニューヨークの美術館にもその名を連ねているだけでなく、シンプルで使いやすく、お手頃価格なことから、ビギナーの「最初の一本」としても人気のブランドです。
ナイフタイプはフォールディングナイフとなるため、折りたたみでき、持ち運びがしやすいナイフとなっています。ロック機能を搭載しており、ブレード根元にあるセーフティーリングを回すと、閉まった状態、ナイフを起こした状態どちらでもロックすることができ、安全に使用することができます。
オピネルはNoが刃の長さになっており、No.7~No.10あたりが使いやすい刃長になります。料理には刃厚が薄くめちゃくちゃ使いやすいですが、フォールディングナイフのため、バトニングなどは絶対にできません。
カーボンスチールとステンレスモデルがあり、カーボンスチールは黒錆加工を行い、赤錆止めを行う必要があるため、少しメンテナンス性がステンレスと比べて劣ります。一方で切れ味は最高で、砥石掛けなど自分で手入れも楽しみたいという方には大変おすすめの一本となります。
オピネルの元々のモデルはカーボンスチールのみであったので、昔ながらのシャープな切れ味を楽しみたい方はカーボンスチールモデルでメンテナンスも楽しんでみてはいかがでしょうか?
ステンレスモデルはステンレスが柔らかいため永切れはしませんが、錆びにくく、手入れが少なくて済むナイフです。料理、川辺や海辺等の水をよく使う場所での使用を想定している方や初心者、メンテナンスが面倒な方はステンレスモデルをおすすめします。
<スペック>
柄素材:ブナ
刃素材:カーボンスチール or ステンレススチール
刃長:約90mm
全長:約206mm
刃厚:約2.0mm
重量:65g(ナイフのみの重量)
料 理:★★★★★
工 作:★★★★☆
バトニング:☆☆☆☆☆
手 入 れ:★★★★☆(ステンレスモデル)
モーラナイフ コンパニオン

モーラは伝統的なスカンジナビアンナイフであり、「単純で丈夫な構造小刃がないので研ぎやすい」「木が削りやすい」「ラバーハンドルは手に馴染みやすく、濡れた手でも滑りにい」のようにナイフ初心者にも扱いやすいのが特長です。
安価なのに質が高く、初心者が購入する1本目としておすすめされるアウトドアナイフとなります。
刃長も104mmと使いやすい長さとなっており、フルタングではなくナロータングですが、簡単なバトニングはこなせるナイフとなっています。
刃素材がについては「OPINEL ステンレススチール #9」と同様です。メンテナンス性や使用場所により刃素材は決めてください。ハンドル材はラバーで使いやすいですが、経年劣化でネバついてくるので、その際には買い替えなどが必要です。
<スペック>
柄素材:ラバー
刃素材:カーボンスチール or ステンレススチール
グラインド:スカンジグラインド
タング:ナロータング
刃長:約104mm
全長:約219mm
刃厚:約2.5mm
重量:84g(ナイフのみの重量)
料 理:★★★★☆
工 作:★★★★☆
バトニング:★★☆☆☆
手 入 れ:★★★★☆(ステンレスモデル)
モーラナイフ コンパニオン ヘビーデューティー

先ほどと同じモーラナイフのよりバトニングが可能なように刃厚が3.2mmとなったモデルとなります。刃厚が増したことで、料理は少ししにくくなりますが、平均的にいろいろできるようになっています。
ただし、このナイフもではなくナロータングのため、太い薪や節をバトニングするとナイフが折れたり、ハンドルが取れるため、注意が必要です。
刃素材とハンドル材については「モーラナイフ コンパニオン」と同様です。メンテナンス性や使用場所により刃素材は決めてください。
<スペック>
柄素材:ラバー
刃素材:カーボンスチール or ステンレススチール
グラインド:スカンジグラインド
タング:ナロータング
刃長:約104mm
全長:約224mm
刃厚:約3.2mm
重量:101g(ナイフのみの重量)
料 理:★★★☆☆
工 作:★★★★☆
バトニング:★★★☆☆
手 入 れ:★★★★☆(ステンレスモデル)
SCHRADE SCHF36

メーカーはシュレードであり、英国シェフィールドにルーツを持つジョージ・シュレードが1892年に設立したプレスボタン・ナイフカンパニーが始まりです。インペリアルシュレードは前身となったアメリカのナイフメーカー五社を統合し、ニューヨーク州で1904年設立されました。2004年にシュレード社は全ての工場の操業を停止、歴史あるシュレードはテイラーブランド傘下となって名前を残しています。
シュレードのナイフはコスパが良く、性能も高いナイフとなっています。その中でも「SCHRADE SCHF36」は全長:260mm、刃長:128mm、刃厚:6mmの大型ナイフとなっており、刃長と刃厚のおかげで10cmの丸太でもバトニングでたたき割ることができます。
5000円以下で入手できるナイフの中でこれだけのバトニング性能を持つナイフはないため、バトニングを行いたい人にはかなり人気のナイフとなっています。
鋼材は1095ハイカーボンスチールのため、炭素を多く含むハイカーボン鋼にマンガン、リン、硫黄等の合金が添加されており、硬度が高く、切れ味が良くて刃持ちが良いナイフとなっています。
一方でステンレスに比べると丈夫ですが、耐食性が低いため、錆びやすくメンテナンスが大変です。「SCHRADE SCHF36」は錆止めのために刃に黒い塗装がされており、塗装が剥がれるまでは耐食性も良好です。しかしながら、バトニングや研ぎを繰り返していると塗装が剥がれて、耐食性の低い鋼材が露出するため、オイルでの保護や黒錆加工を行い、錆びを防ぐ必要があります。
付属物にファイアースターター、簡易砥石、ナイロンシースが付いていますが、ファイヤースターターは小さめのため使いづらく、簡易砥石はキャンプ場などで簡易で研ぐ必要がある時に使える程度のため、おまけ程度に考えておいた方が良いかと思います。ナイロンシースは革製のもっとかっこいいものを使いたい場合以外は問題なく使えるものです。
<スペック>
柄素材:TPE
刃素材:1095ハイカーボンスチール
グラインド:ホローグラインド
タング:フルタング
刃長:約128mm
全長:約260mm
刃厚:約6.0mm
重量:390g(ナイフのみの重量)
料 理:★★☆☆☆
工 作:★★★★☆
バトニング:★★★★★
手 入 れ:★★☆☆☆
それなりの性能 5,000~10,000円台
モーラナイフ ガーバーグ

モーラナイフ ガーバーグはモーラナイフで唯一フルタングのモデルとなっており、バトニング性能が向上しています。フルタングになったため少し重量は増加していますが、刃のサイズは殆ど変化がないため、使いやすさは低下していません。
刃素材については「モーラナイフ コンパニオン」と同様です。メンテナンス性や使用場所により刃素材は決めてください。
ハンドル材はラバーからポリアミドに変更されており、ラバーの柔らかい素材からポリアミドの硬質素材となることで、バトニングなどをした際に使いやすくなっています。よりブッシュクラフト向きのナイフと言えます。
<スペック>
柄素材:ポリアミド
刃素材:カーボンスチール or ステンレススチール
グラインド:スカンジグラインド
タング:フルタング
刃長:約109mm
全長:約229mm
刃厚:約3.2mm
重量:170g(ナイフのみの重量)
料 理:★★★☆☆
工 作:★★★★☆
バトニング:★★★★☆
手 入 れ:★★★★☆(ステンレスモデル)
G・サカイ サビナイフ-6 仔鯱

とにかく錆びないことで有名なG・サカイのサビナイフ。ブレードに使われているのは、1週間海水に浸けても錆びないと定評の「H-1鋼」が使われています。
H-1鋼はG・サカイしか製造していない鋼材であり、錆の原因になる炭素を完全に排除して、代わりに窒素を1%入れています。強度が上がり、代わりに錆の原因になる炭素を排除しています。
しかし、炭素を抜いていますが、HRC(ロックウェル硬度指数)56〜58を保っており、刃先では高度がHRC66まで行くとのことです。
片刃の小出刃包丁のため、バトニングをすると片側に寄るので全然薪が割れませんが、料理にはものすごく使いやすいナイフとなっています。特に錆びやすい海釣りなどでは魚をさばくのに大活躍間違いなしです。
ハンドル材も黒檀からFRN(ガラス繊維強化ナイロン)に変更になり、より水の影響を受けにくい使いやすい素材に変更になっています。
<スペック>
柄素材:FRN(ガラス繊維強化ナイロン)
刃素材:H-1 ステンレススチール
グラインド:片刃ホローグラインド
タング:フルタング
刃長:約93mm
全長:約209mm
刃厚:約3.5mm
重量:120g(ナイフのみの重量)
料 理:★★★★★
工 作:★★☆☆☆
バトニング:★☆☆☆☆
手 入 れ:★★★★★
ハイスペックナイフ 10,000円以上
KELLAM Wolverine

KELLAM Wolverineはフィンランドの伝統的なナイフ「プーッコ」の特徴を踏襲した素晴らしいナイフです。Ahti社の社員がアメリカで作り始めたナイフで、Ahtiと同じくLaurin Metalliからナイフブレードは仕入れています。北欧ナイフ会社の特徴でブレードは共通でハンドルやシースで特徴が出ます。
ただしKELLAMはブレードに特別な焼き入れや刃出しをしているので、箱出しのままでもよく切れます。その中でもKELLAM WolverineはSPT炭素鋼と呼ばれる部分焼き入れをした鋼材を使用しており、ものすごく切れます。
ブッシュクラフトの生まれた場所ということもあり、木工には最適で箸やスプーン、コップなどを作るのに最適なナイフになります。さらに木工用に特化したWolverine Proという刃長が7.9mmのモデルもあるので、こちらもおすすめです。
マウステールタングであり細い芯材しかないため、バトニングには向きませんが、料理や木工には最適なナイフになります。
刃材は炭素鋼であるため、黒錆加工を行い、赤錆止めを行う必要があります。少しメンテナンス性がステンレスと比べて劣ります。またハンドル材も美しいカーバリーチの瘤の模様が出ていますが、自然素材のため濡れた際や経年劣化が発生するため、手入れを行うことが重要です。
ただし砥石掛けを行い、錆止めのメンテナンスを行っていれば切れ味は最高で、またカーバリーチのハンドル材の使っていくうちの変化を楽しみたい方には最高のナイフだと思います。
また「プーッコ」の特徴を持つ角型の革製シースはAhtiのシースには若干劣りますが、腰に装着して森の中を歩くおとても気分を盛り上げてくれます。
<スペック>
柄素材:カーバリーチ(樺)
刃素材:SPT炭素鋼
グラインド:スカンジグラインド
タング:マウステールタング
刃長:約95mm
全長:約206mm
刃厚:約3.3mm
重量:95g(ナイフのみの重量)
料 理:★★★★☆
工 作:★★★★★
バトニング:★☆☆☆☆
手 入 れ:★★☆☆☆
Ahti Vaara 95

Ahti Vaara 95はフィンランドの伝統的なナイフ「プーッコ」の特徴を踏襲した素晴らしいナイフです。Kellamとよく比較されますが、Kellamはブレードを同じLaurin Metalliから仕入れていますが、特殊な焼き入れや刃付けを行っているため、刃の評価はKellamの方が高いですが、「プーッコ」の特徴的な革製シースはAhtiの方が評価が高いです。特に金色の輪っかを付けている「プーッコ」のシースは高級品となります。
Ahtiのナイフブレードは鈍角の小刃が付いているので、箱出しでは全然切れません。自分で研いで刃付けを行う必要があるため、敷居が高い商品になります。
ブレード素材は良いものなので、刃付けさえできれはかなり切れます。ブッシュクラフトの生まれた場所ということもあり、木工には最適で箸やスプーン、コップなどを作るのに最適なナイフになります。
マウステールタングであり細い芯材しかないため、バトニングには向きませんが、料理や木工には最適なナイフになります。
刃材は炭素鋼であるため、黒錆加工を行い、赤錆止めを行う必要があります。少しメンテナンス性がステンレスと比べて劣ります。またハンドル材も美しいカーバリーチの瘤の模様が出ていますが、自然素材のため濡れた際や経年劣化が発生するため、手入れを行うことが重要です。
ただし砥石掛けを行い、錆止めのメンテナンスを行っていれば切れ味は最高で、またカーバリーチのハンドル材の使っていくうちの変化を楽しみたい方には最高のナイフだと思います。
自分で刃付けを行う必要があるため、KELLAM Wolverineに比べ取っ付きづらいところはありますが、ブレード自体はいいものなので、自分で刃付けから楽しみたい方はこちらも選択しになるかと思います。
<スペック>
柄素材:カーバリーチ(樺)
刃素材:カーボンスチール
グラインド:スカンジグラインド
タング:マウステールタング
刃長:約98mm
全長:約210mm
刃厚:約3.0mm
重量:93g(ナイフのみの重量)
料 理:★★★☆☆
工 作:★★★★☆
バトニング:★☆☆☆☆
手 入 れ:★☆☆☆☆
土佐アウトドア剣鉈 120 青2

四代目・晶之が作り出す「土佐アウトドア剣鉈」はヨーロッパ全域より、カスタムナイフメーカーが集結したアウトドアナイフショーにて、6つの過酷な切れ味テストをクリアし、名誉ある大賞を二年連続受賞したナイフの切れ味を持ちます。
剣鉈タイプのため、小枝の伐採、木工細工、魚の解体、キノコ狩りなど様々なアウトドアシーンで活躍します。また木工・竹細工、狩猟解体作業、釣り糸切り、ロープ切り、キャンプ時のキッチンナイフやその他軽作業に使うことができます。
120mmと刃長が少し長いため、少し取り回しはしにくいかと思いますが、それを補って余りある切れ味となります。日立のとても固い鋼材である青紙二号鋼を使っており、研がれた刃はカミソリのような切れ味を持っています。バトニングにも使うことができ、厚い刃厚で簡単に割ることができます。
刃材は炭素鋼であるため、黒錆加工を行い、赤錆止めを行う必要があります。少しメンテナンス性がステンレスと比べて劣ります。またハンドルも樫の天然素材のため、メンテナンスを行うことが大切です。
人とは少し違ったナイフを持ちたい方にはおすすめの一本になります。
<スペック>
柄素材:樫オイルステン
刃素材:青紙二号鋼/黒槌目
グラインド:ほぼフラットグラインド
タング:コンシールドタングみたいな感じ
刃長:約120mm
全長:約265mm
刃厚:約4.0mm
重量:230g(ナイフのみの重量)
料 理:★★★★☆
工 作:★★★★☆
バトニング:★★★★☆
手 入 れ:★★☆☆☆
BarkRiver ブラボー1.25

バークリバーは職人の手で一本一本作るスタイルのメーカーであり、このブラボー1.25は実用的でシンプルな作り、手研ぎによるコンベックスブレード(ハマグリ刃)が特徴です。日本では、狩猟に使うナイフとして根強い人気があります。
ブラボー1.25はフルタングの頑丈で実用的なナイフとなっており、ブッシュクラフト用のハイエンドナイフです。A2工具鋼で作られたブレードは刃に粘りがあり切れ味に優れる一方、炭素系の鋼材であり錆びやすいため注意が必要です。黒錆加工を行い、赤錆止めを行う必要があります。
コンベックスグラインドの刃が木材に食い込みやすいため、チョッピングやバトニングに大変向いています。KA-BAR BK2 ベッカーコンパニオンやESEE ESEE‐5はただのバトニングバカのような重量級ナイフですが、このナイフはバトニング以外もなんでもできるブッシュクラフト用ナイフになります。
<スペック>
柄素材:ブラックキャンバスマイカルタ
刃素材:A2工具鋼
グラインド:コンベックスグラインド
タング:フルタング
刃長:約127mm
全長:約251mm
刃厚:約5.5mm
重量:245g(ナイフのみの重量)
料 理:★★★☆☆
工 作:★★★★☆
バトニング:★★★★★
手 入 れ:★★☆☆☆
5,000円以下のセミクラフトナイフ
アウトドアナイフを手に入れる方法として、その他にセミクラフトという方法があります。スカンジナビアンナイフの製作方法と同じようにナイフのブレードのみ購入してきて、残りのハンドルとシースを製作するという方法です。
1〜2日あれば製作できるので、安価に自分だけのオリジナルナイフが欲しいという方はかなりおすすめな方法です。道具類を除くとシース含め1本あたり3,000〜4,000円で製作できるので、コスパはかなり良い方法です。
今まで2本製作しており、一本目はモーラナイフブレードNo.1を用いて作ったプーッコになります。ブレードは炭素鋼で、ケラム ウルヴァリンのような雰囲気にしたいと思ってハンドル形状を削っています。ハンドルは紫檀であり、ローズウッドの一種です。作り方は以下の記事で紹介しています。


2本目は木工用のカービングナイフが欲しかったので、モーラナイフブレードNo.120で製作しています。このブレードはラミネートスチールで、炭素鋼を他の鋼材で挟んだブレードとなります。こちらもローズウッドの一種である黒檀でハンドルを製作しています。作り方は以下の記事で紹介しています。


まとめ
今回はアウトドア用ナイフを料理、工作、バトニングなど様々な用途の性能を評価しながら、紹介しました。小型のものから、大型のバトニングナイフまでナイフ毎に用途の特徴があるので、自分の用途に合ったナイフを選んで、アウトドアを楽しんでください。
ナイフ沼にハマると抜け出せなくなるので、皆さんも注意して楽しんでください。