アロマディフューザーとは、空間に香りを拡散させる器具の総称で、アロマは「香り」、ディフューズは「拡散する・広める」という意味です。
植物から抽出した精油(エッセンシャルオイル)を用いて、その香り成分を効率的に揮発(若しくは蒸発)させるための器具であり、アロマオイルの種類により、天然の心地よい香りでリラックスしたい時や、入眠時、気分転換、空間の消臭や虫除けなど、精油の効果効能を、香りを嗅ぐ事で心や体に効能をもたらすことができます。
アロマディフューザーには大きさや、拡散方式など様々な種類があります。今回はそんなアロマディフューザーの種類について紹介します。
アロマディフューザーの種類
超音波式

超音波式アロマディフューザーは、超音波で水とオイルをミストにして、部屋に拡散させるタイプとなります。白いミストが部屋の中に広がっていく効果を視覚的に楽しめ、また香りの拡散力も高いためおすすめのアロマディフューザーとなります。精油の使用量も他の種類に比べて1〜3滴程度の少ない量で済みます。
超音波式はイルミネーションやライトを備えたモデルが多く、アロマキャンドルの代わりに部屋の雰囲気を変えてくれます。ただし、超音波式は水をしっかり取り替えないと雑菌が繁殖する可能性があるため、一定の頻度で水の取り替えや掃除をする必要があります。
※使用する水は塩素が入った通常の水道水を使用してください。浄水を使用すると雑菌が繁殖するリスクが増加します。
アロマ加湿器と呼ばれる物とほとんど同じ作りをしており、加湿能力がアロマ加湿器の方が強いという考え方で問題ありません。ただし、アロマ加湿器はタイプによっては気化式のトレイがついているタイプがあるので、その場合はアロマの能力は低く、アロマディフューザーとしての機能は期待しない方が良いかと思います。
メリット
- 3,000円〜と比較的安価に手に入る
- 基本的に拡散力が高く、広範囲の物から卓上のような狭い範囲の物など範囲が豊富
- 精油の使用量が少ない
- イルミネーションやライトがキャンドルのようにおしゃれ
デメリット
- こまめな水換え、清掃が必要
- オイルの定期的な追加が必要
- 噴霧量により周辺に水が付着する
(アロマ加湿器よりは基本的に噴霧能力が低く付着はしにくい)
噴霧式
噴霧式は精油を霧状にして噴出したり吹き掛けたりする方式であり、基本的に拡散力が一番強く、空間をアロマでみたいしたい場合や店舗などの広い空間に使用する場合はこの方式が一番おすすめです。
超音波式と比べて水を使用しないので、お手入れが楽なのも特徴となります。ただし、直接精油を使用するので、精油の使用量もそれなりに多くなってくるので注意が必要です。
ネブライザー式

ネブライザー式は水を使用せず精油そのものをミスト化して空気圧で噴射する仕組みとなります。ボトルを取り付けておくと、そのボトルから自動的に精油を補充して噴射するので、精油の追加なども不要で手入れの手間が少ないタイプとなっています。
ただし、噴射する間隔で香りの強さを調整しますが、人によっては香りが強すぎると感じることがあります。
メリット
- 拡散力が強く、広い範囲でもアロマをしっかり感じることができる
- 水を使わないため、お手入れが楽
デメリット
- 精油の使用量が多く、ランニングコストが高い
- 香りが強すぎる場合があり、人によっては合わない場合がある
- ポンプの動作音が大きく狭い部屋などで使用していると気になる
- 精油が空気に触れ、酸化しやすい
アロマドロップ式

アロマドロップ式は上部の壺型のガラス容器に精油の原液を数ml垂らして、容器の中の管にポンプで精油と空気を通して霧状に噴射させ、香りを広げるタイプとなります。
香りの拡散力は強いですが、その分容器内に精油を溜めておく必要があり、さらに原液を使用するため精油の使用量が多いです。また、一度入れた精油は戻せないので、常時アロマを焚いておきたい場合におすすめのタイプとなります。(ものによりますが、10滴で1時間稼働のように大量に精油を使用します。)
こちらは容器に精油を溜めて使用するため、足りなくなった場合継ぎ足しが必要になるので、ネブライザー式に比べるとアロマディフューザーの開始・停止が大変な方式となります。
少し使い勝手が悪い点もありますが、ガラス容器の形状はさまざまなパターンがあり、またライトがついているおしゃれなモデルが多く、雰囲気を楽しみたい方にはおすすめです。
メリット
- 拡散力が強く、広い範囲でもアロマをしっかり感じることができる
デメリット
- 精油の使用量が多く、ランニングコストが高い
- 香りが強すぎる場合があり、人によっては合わない場合がある
- ポンプの動作音が大きく狭い部屋などで使用していると気になる
- 精油が空気に触れ、酸化しやすい
- 香りを変える際にエタノール等でガラス容器を洗浄する必要がある
加熱式

水を張った受け皿に精油を数滴垂らし、キャンドルやランプの熱で精油を加熱して気化させます。キャンドルを使うタイプをアロマポット、ランプを使うタイプをアロマランプと呼びます。
精油を加熱するため、精油成分が変性し、香りなどが変わってしまう事が欠点となります。
デメリット
- 精油成分を加熱するため、精油成分が変性する
- 香りが弱い
- 定期的なオイル、水分等の補充が必要
- 加熱するため、焦げ付きなど掃除が必要
気化式
気化式の中には色々なタイプの気化方式がありますが、基本的に狭い範囲での使用がおすすめです。また広範囲で使用する場合は精油の消費量が多くなってしまうので、トイレやランドリールーム、寝室でのサイドボードなど限られた範囲で使う場合におすすめです。
ボトル内気化方式

オイルボトル内に筒状のパルプ製不織布が付いており、しみ込んだオイルに風を送って気化させます。ボトル内は気密性が保たれているので、オイルは酸化しにくく、無駄な蒸発も防げます。そのため、ボトルを簡単に交換できるため、香りを変更するのも簡単です。
ただし、ネブライザー式と同じようにオイルの減りは早いので注意が必要です。香りが充満したら、停止したいのですが、タイマー機能がないのが、欠点かと思います。
メリット
- ネブライザー式と同じく、ボトルをつけるだけで使用可能
- 噴霧式には劣るが、20畳程度まで対応
- 水がいらないため、超音波式と比べ、手入れが簡単
- ボトルの付け替えのみのため、香りの変更が簡単
デメリット
- オイルの減りが早い
- 専用オイルでの使用となるため、精油の選択肢が少なく、高い
パッド

不織布等のパッドに浸みこませた精油を自然に気化させて、香りを拡散させる方式なります。パットに精油を染み込ませる手間やパッドの交換が必要なのですが、手間の割にそんなに香りが広がらないというダブルパンチの方式になります。
送風機能がついているものは、比較的香りの拡散機能が高いですが、その分精油の追加が必要になります。
寝室の枕元やトイレなどであれば、範囲も狭く拡散範囲が広くないため、効果的に使用可能かと思います。アロマ加湿器で申し訳程度についてるアロマ機能がパッド方式の場合が多いです。
メリット
- パッドに精油を垂らすだけなので、安価
- 音がしないため、静か
デメリット
- パッドの交換や精油の補充など手間がかかる
- 自然に気化するのを待つため、香りの拡散能力が低い
リード式

エタノールで希釈したオイルが入ったボトルに、リードと呼ばれる木製スティックを差し込み、この木製スティックが精油を吸い上げ、香りを拡散します。このリードの本数で香りの強さを調整します。リードの種類によっても吸い上げる強さが異なります。
メリット
- 安価で100均でも購入可能
- 見た目がおしゃれで、インテリアとして使用可能
- リードの本数で香りの強さを調整可能
デメリット
- 蓋がないため、酸化が進みやすい
- 自然気化のため、香りが弱くなっていく
- 安価なものは合成香料が多い
ストーン式

珪藻土などに精油を染み込ませて香りを拡散させます。精油が珪藻土などに染み込んでしまうため、大量に精油が必要な点と精油が染み込んでいるので、他の精油が使えない点がデメリットになります。
メリット
- 珪藻土のため、非常に安価で持ち運びも簡単
デメリット
- 香りが弱く、強くするためには精油の量が大量に必要になる
まとめ
今回はアロマディフューザーをまとめました。アロマディフューザーには主に噴霧式や加熱式、超音波式、気化式などの方法がありますが、しっかりとアロマを感じたい、広い範囲で使用するという方は噴霧式やボトル内気化式、適度にアロマを感じつつ、簡単にアロマディフューザーを使いたいという方は超音波式がおすすめです。
最近のアロマディフューザーはライトやイルミネーションの機能がついていたり、おしゃれな物も多くなっているので、ぜひ自宅をおしゃれで快適な空間にしてみてください。